2012年11月9日金曜日

11月5日、再び女川へ行ってきました。今度はバンベルク交響楽団(Bamberger Symphoniker)のメンバーと共に!

前日に仙台入り。5日朝8時半に車を借りて、9時に仙台フィルの本拠地、仙台市青少年文化センターへ。コントラバスを借りて9時20分頃仙台駅へ出発。バンベルクのメンバーは東京からの新幹線「はやぶさ」で、9時48分仙台着。仙台駅西口の自動車降車場で落ち合いました。演奏メンバー8人プラス事務局から1人。駐日ドイツ大使館のボーネンさんも一緒でしたが、車の定員の関係で彼だけ路線バスで行ってもらいました。スミマセン。

楽器や衣装を積んで10時に出発。女川まで2時間の予定です。車中のメンバーは、一昨日は福岡、昨日は静岡で東奔西走の忙しさにもかかわらず、皆さん元気にはしゃいで(?)いました。予定より早く11時40分頃女川着。今、女川の中心だったところには、何もありません。町が丸ごと流されたのです。その光景を見て一同絶句。「女川に音楽を」実行委員会の木村さんの仮設診療所(彼は歯医者さんです)は、海抜20メートルの丘の上にあるのですが、その建物の1階が水につかったと説明しても皆さん信じてくれません。お昼を食べに定食屋さんに入り、そこで震災の写真集を見て、ようやく納得してくれました。


13時半に女川第2小学校到着。会場の体育館で軽くリハーサル。当初は「近くの仮設にお住まいの方が50名ほどいらっしゃれば、聴衆は多い方でしょう」という木村さんのお話でしたが、校長先生の計らいで、女川第1小学校、女川第2小学校の児童の皆さん300名も、急遽聴きに来てくれることに。実は女川第1小学校の児童の皆さんは、震災で校舎が使えなくなったので、第2小学校に間借りして授業をしているそうです。合計350名の聴衆で、演奏する方にも気合いが入ります。


たくさんの人たちが聴いてくれました。

ウェーバー:クラリネット五重奏曲 変ロ長調 作品34
目にも止まらぬクラリネットの動きに脱帽!
プログラムは、
ドヴォルザーク:ワルツ 作品54−1
 A. Dvorak : Walzer op. 54 Nr.1
ウェーバー:クラリネット五重奏曲 変ロ長調 作品34
C. M. v. Weber : Quintett für Klarinette und Streichquartett B-Dur Op. 34
モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調 KV336
W.A. Mozart : Divertimento D-Dur KV 334
です。

モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調 KV336
この曲は立って演奏。動きがあって、
見ても聴いても楽しめました。
長旅の疲れも見せず、見事な演奏を聴かせてくれました。我が友 Martin のヴィオラも良かったのですが、バンベルクでコンマスを務める砂原さんのヴァイオリンが特に素晴らしかったです。本当はアンコールも聴きたかったのですが、女川では仮設住宅があちこちに点在していて、児童のは皆さんバス通学しているとのこと。本プロだけで終了しました。
残念!


仮設住宅を訪問。
演奏会終了後は小学校周辺を少し散歩。近くの仮設住宅に立ち寄ると「演奏会良かったですよ」と、何人かの方が声をかけて下さいました。

帰りの新幹線は仙台を19時26分発。木村さんによると夕方は渋滞するということなので、名残り惜しみながら16時50分頃女川を出発。やはり行きよりも時間がかかって、18時50分頃仙台駅着。バンベルクのメンバーとはここでお別れです。皆さん一仕事なし終えた、いい顔をしていました。

レンタカーの返却時間が20時なので、コントラバスを返しに急いで仙台市青少年文化センターへ。快く楽器を貸して下さった仙台フィルの村上さん、大久保さん、ありがとうございました。ちょっと混んでて、レンタカー会社に着いたのが20時少し過ぎ。木村さんと私との橋渡しをしてくれた仙台在住のK君と待ち合わせて、遅くまで反省会。翌日午前の便で無事帰ってきました。

今回の演奏会(内輪では、Onagawa Projekt と命名)では、多くの方が動いてくれました。発案した Martin、演奏会を主催して下さった木村さん、Martinの計画に賛同して女川まで来てくれたバンベルクのメンバーの皆さん、数え上げればきりがありません。いつの間にか駐日ドイツ大使館が後援して下さったり、バンベルクの新聞に演奏会の記事が大きく載るなど、思いもかけず大きな反響がありました。オーケストラの来日公演の合間で大変だったと思いますが、被災地での演奏会ができて本当に良かったと思います。皆さんに感謝!
追伸:この演奏会のことが、Bambergの新聞 Fränkischer Tag に取り上げられました。(Fränkischer TagのHPへ)

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